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修理作業その1 ドライブシャフトブーツの交換(分割式)

作業難易度:★★★☆☆

 さて今回から修理(メンテナンス)についての作業報告を行うわけですが、その1回目はドライブシャフトのブーツ交換です。

事の始まりはディーラーでの点検時。リフトアップ時にブーツの破れに気付き、ショックを受けました・・orz
見た目は飛び散ったグリスが乾き気味で結構前に破けてた模様。このタイミングで気付けたのは良かったです。もしそのまま走行し続け、ドライブシャフトが焼き付いたとなれば最悪自走不可能に陥りますからね・・・。

でマツダのディーラーでブーツを注文。最近マツダではドライブシャフトのブーツ交換は分割式が主流のようで、今回注文したのも分割式。色々評判を聞きますが、耐久性も問題ないようなのでチャレンジしてみます。

数日後、部品が届き、いつものように自宅ガレージにて作業開始。

■事前に準備する物

事前に準備する物


今回そろえた工具たち。下に潜る作業なのでウマは必須。
また交換した時期(2月)は寒いので断熱マット(銀色の)は重宝しました。100円均一で売られている物です。
で、軍手とジャッキの間に挟まれているのがブーツ一式です。軍手のすぐ右隣のがカイロ。その横がグロメットでブーツ、バンド。グロメットの上が溶着剤。更に上にグリスと写真入り説明書。これだけ入っているので初めての作業でも大丈夫か!?

■ジャッキアップしウマをセット

まずはホイールナットを緩めておきます。ジャッキアップする時の基本ですが完全に緩めちゃ駄目。軽く緩める程度で。じゃないとハブボルトに負担がかかり過ぎちゃいますから。
で緩めておいてジャッキアップ。ジャッキを前輪タイヤハウスのすぐ後ろにあるジャッキアップポイントに当てて車を持ち上げます。
その後ウマをセットします。セットする場所はスタビの取付部にあてがいます。それからウマに加重が掛かるまでジャッキをゆっくり降ろし、ジャッキとウマの2点で支えるような感じとしました。
ジャッキとウマがセット出来ればホイールナットを完全に緩め、ホイールを取り外します。

■破れたドライブシャフトブーツの除去

破れたドライブシャフトブーツ


ホイールを取り外し恐る恐る覗き込んでみると、パックリ割れたブーツがいらっしゃいました。もう完全に二つに別れてしまっています。
アーム類に付いているグリスが乾いてるのを考えても結構前に破れていたのが解ります。
破れたブーツはニッパー等で切り取ってしまいます。バンドを外すのには先の細いドライバー等が重宝します。ブーツを切るのに使ったニッパーが使いづらく苦労しましたが、なんとか切り取ることに成功。

取り外した破れたドライブシャフトブーツ


で、これが取り外したブーツとブーツバンド。こんな感じで別れちゃってました。

■古いグリスの除去とベアリングの洗浄

古いグリスの除去


ブーツを取り外し後、付着していたグリスを綺麗に拭き取ります。拭き取った後がこの画像。
今回は拭き取りだけ行いました。ディーラーのメカに寄ると、異音が発生している場合はハブベアリングを洗浄してやる必要がある・・・との事。その場合はパーツクリーナーで洗浄すれば良いようですが、とどめを刺すような気がするんだけど!?

拭き取り後のハブベアリング


これはグリス拭き取り後のハブベアリング。とりあえずこのまま。異音や振動もなかったので。

■新しいドライブシャフトブーツの接合

次の作業はブーツ取付。ここが正念場です。分割式のブーツの接合部は凹部と凸部からなり、溶着剤が無い状態でもかなりしっかりと組み上がるようになってます。
実際の取付は凹部に溶着剤を溢れんばかりに注入し、ドライブシャフトに取り付けて接合部をしっかりと合わせます。この時、接合面にグリスが付着しないように気を付けましょう。

ブーツの溶着剤


これが溶着剤。先が細くなっているのでブーツの凹部の奥まで注入しやすいです。

カイロで暖め中


溶着剤を注入後、しっかり合わさったことを確認して、接合部を上にし付属のカイロを乗せて暖めます。
説明書によると、溶着剤をカイロで暖めることによって、ブーツを溶かし、接合面を溶かしてひっつけてしまうようです。これなら耐久性も問題無し。

カイロは袋を開封し、紙を剥がせば発熱が始まります。紙を剥がした所に粘着剤が付いていて、ブーツに乗せても落ちないようになっています。
で暖める時間は8分以上となっていましたので、しばらく放置しておきます。


接合されたドライブシャフトブーツ


時間も経過したところでカイロを外します。カイロは高温になっているので軍手をはめて外しましょう。
で接合部をチェック。しっかりひっついているか確認です。しかし・・・

接合面に隙間!?


接合面に隙間が!?(;・∀・)
これはピンチ。恐らく接合する際に、溶着剤が付いているのを気にしすぎてうまく接合出来てなかったようです。

ディーラーのメカに電話をし確認すると「浮いちゃった?ちょっとなら大丈夫」との事。ここまできてやり直しじゃ時間の無駄なので、「接合が甘くても耐久性は大丈夫か?」人柱になろうと思います(w


■小端部グロメットの取付

小端部グロメットの取付


次はブーツの小端部にグロメットを取り付けます。グロメットとは黒いリングのような物で、ゴムで出来ており、このグロメットをドライブシャフトに取り付け、そこにブーツを差し込み、その上からバンドを使って止めるようです。

取り付け時の注意点はグロメットの切れ目とブーツの切れ目が同じ位置に来ないようにすることです。切れ目が重なるとグリスが漏れる可能性があるからです。
グロメットにブーツが入り辛いようならグロメットの外周に薄くグリスを塗ってやればOKです。


グロメットにバンド取付


グロメットがきっちり差し込まれたのを確認し、その上にバンドを取り付けます。バンドを取り付ける場所はドライブシャフトのくびれているところに位置を合わせて取り付けます。
バンドの取り付けにはラジオペンチを使用し、バンドにあるツメに引っ張って、外れ止めをドライバーでカシメて固定して完了。しっかり外れないようにカシメておきます。

■グリスの充填

ここまでくればもう少し。次はグリスを注入します。注入は大端部から行います。
グリスはドライブシャフトブーツキットに付属のグリスを使用し全量注入しました。人によっては「半分だけでよい」とか聞きますが、勿体ないので全量入れちゃいました。量的にも多すぎることはないと思ったので。

■大端部グロメットの取付

大端部グロメットの取付


あとは大端部にグロメットを取り付け、バンドで固定すれば作業完了です。
しかし大端部側はロアアーム等があり、手が入り辛く作業は難航しました。

■最終確認

作業が終わり、最終確認。バンドがしっかり固定されているか?グリスがはみ出していないか?等確認していきます。
問題がなければタイヤを取り付け、ウマを外しジャッキを降ろせば作業完了です。

■総評

今回使用した分割式ドライブシャフトブーツのお陰で、簡単にドライブシャフトブーツの取替が出来るようになりました。
以前までの一体型ドライブシャフトブーツだと一旦ドライブシャフトを抜き出す必要があり、面倒なのですが分割式だと予備知識が有れば結構出来ます。
分割式ドライブシャフトブーツキットは一体型より高めですが、工賃を差し引けば十分おつりが来ますのでオススメです。

ちなみに分割式ドライブシャフトブーツに交換後2年以上走行しましたが、浮いてしまった場所からの不具合もなく問題有りませんでした。

CT型ワゴンRも年数が経ち、ドライブシャフトブーツが弱ってきている車が多くなっていると思われます。一度下に潜ってチェックしてみてはいかがでしょ。

分割式ドライブシャフトブーツキットのパーツ番号


参考までにマツダ製分割式ドライブシャフトブーツキットのパーツ番号を載せておきます。
発注の際には再度確認の上発注して下さい。


今回の作業の満足度:95%

ブーツの接合が完璧だったら100%だったんですがね・・・orz

■参考

もし点検してドライブシャフトブーツが破れていた場合の応急処置の方法を下記に挙げておきます。ディーラーまで自走する際等に役立てば幸いです。

破れたドライブシャフトブーツの応急処置


破れている箇所の上に適当な大きさに切った厚手のビニール袋で覆い、ビニールテープでグルグル巻きにします。これでグリスが外に漏れ出す事は無くなります。

耐久性については半日程度自宅付近で買い物に使用しましたが問題有りませんでした。高速走行等には厳しいかもしれませんが意外とイケるようです。


■ komocik space
■ DIY作業報告書(ワゴンR編)修理その1
■ 2006.09.24 更新
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