今回の作業報告はスパークプラグ(点火プラグ)の交換です。
今回交換するスパークプラグ(以下プラグ)はいつもなら純正と同じプラグに交換していたんだけど今回は奮発してNGK社の「IRIDIUM IX」という奴。型式はBKR6EIXになります。
このプラグ、通常のプラグとの違いは電極にイリジウム合金が使われている点です。イリジウム合金は一般プラグに使われている白金などに比べ、融点、硬度、強度に優れている為、電極を細くする事が出来、火花が飛びやすくエネルギーが大きく着火性に優れるプラグです。その為、パワー、始動性、燃費が向上するとの事。(NGK社サイトより)
ちなみに標準プラグの型式はBKR6Eです。標準プラグはホームセンターで売られている場合もあり、入手しやすく安価です。
まずプラグを交換する為にはプラグコードを引き抜く必要があります。
プラグコードはプラグに差し込まれているだけですので引っ張れば抜く事が出来ます。しかし下手に引き抜くと断線の恐れもありますので、引き抜く際にはプラグコードの根本をしっかりと持って引き抜くようにしましょう。
また引き抜いた際の反動で手をぶつけないように気をつける必要もあります。
サンバーのプラグコードは引き抜く際に掴む部分が用意されています。
コード下側に三角になっている部分を掴んで若干下向きに引っ張ればOK。
で、プラグコードを引き抜く際には一度に全てのプラグコードを引き抜く事はオススメしません。
プラグコードの差し込む位置は決まっており、一度に全て引き抜いてしまうと差し込む位置を間違える恐れもあるからです。エンジンによっては間違って差し込む事が出来ない構造になっている場合もありますが、念の為に1本ずつ交換していく事をオススメします。
プラグコードを抜く事が出来ればプラグレンチを使ってプラグを取り外します。画像のプラグレンチはKTC製でラチェットレンチに組み合わせて使用するタイプです。
プラグレンチをきっちりと奧まで入れ、反時計回りに回して緩めます。プラグレンチはプラグが引っ付くようになっていますので、緩める事が出来ればプラグレンチに引っ付いた状態で取り外せます。
取り外したプラグは捨てる前にチェックしておく必要があります。
プラグの焼け具合を見ればエンジンコンディションを確認する事が出来るからです。
良好なエンジンの場合、プラグはきつね色に焼けていますが、カブリ気味だと黒く焼け、酷い場合には湿った感じになっています。また焼け気味だとプラグは白色になります。これらの不調の原因は様々で特定しにくいですが、良好な点火を得る為にはプラグがきつね色に焼けるような調整が必要です。
プラグの番手を変更したり燃調を調整する必要が出てきますので、知識が無く良く解らないという方はディーラーへ相談される事をオススメします。
これが今回取り外したプラグ。若干黒く焼けた感じもしますが許容範囲かと。
次は新しいプラグを取り付けるんですが、ちょっと注意する点があります。
プラグを挿入し、締め付ける際には最初からプラグレンチで締め付けない事です。もしネジ山が正常にかみ合っていないのにプラグレンチで無理矢理締め付けてしまうとシリンダヘッド側のネジ山を損傷してしまう恐れがあるからです。
これを防ぐ為に左の画像のように最初はプラグを手で締め付けていき、プラグが規定の深さまでねじ込まれた事を確認してから最終的な締め付けをプラグレンチで行えばOK。
で、この最終締め付けもむやみやたらに締め付けるのではなく、規定の方法で締め付ける必要があります。大抵のプラグのパッケージに締め付け方法が表示されていますのでそれを参考に締め付けて下さい。
ちなみに今回の「IRIDIUM IX」は肌付きから1/2~2/3回転の締め付けでOK。
後はプラグコードを元通りに差し込むだけ。きっちり根本まで差し込みましょう。根本まで差し込めばカチッと音がします。(しない場合もあります)
プラグコードがきっちり差し込まれていない場合、走行中に抜けてしまう事もあるので要注意です。
実際、この作業後、最初は調子良かったのですが急にアイドル不良に陥りエンジンの吹けも悪くなってしまい、エンジンを確認したところプラグコードが1本抜けてしまっていました orz
こんな事にならない為にもしっかりと差し込んでおきましょう。
プラグ交換は注意点さえきっちりとすれば難しい事はなく誰でも出来る作業です。サンバーの場合エンジンが後ろにありプラグ交換がし易いエンジンレイアウトになっている為、10分もあれば作業出来るでしょう。
プラグはエンジンメンテナンスの基本とも言えます。自分で作業出来るようになれば愛車管理も容易に出来ますよ。
プラグは標準タイプで1万キロが寿命と言われています。寿命が来れば良い点火を得られずパワー低下や燃費悪化に繋がりますので寿命が来る前に交換する事をオススメします。
ちなみに白金タイプの寿命は10万キロと言われていますが、個人的には10万キロ持つとは思えず、5万キロ程度で交換した方が良いと考えます。
■ komocik space
■ DIY作業報告書(サンバー編)その10
■ 2006.08.24 更新
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