今回はドアの内張をビニールレザーシートで張り替え、それに併せてプラスティック部分を塗装しました。
画像は後部ドアです
今回、内装の塗装には水性ペンキを使用し、刷毛塗りで行います。
一般的には缶スプレーによる塗装が行われますが、缶スプレーの場合、仕上がりは綺麗なのですが、手間が掛かったりスプレーの具合によってはタレてしまって失敗したり、なにより缶スプレーを多量に使う為に財布に厳しいです。
刷毛塗りでも水性ペンキなら伸びも良く、塗りやすいので思った以上に綺麗に塗れます。また内装用の水性ペンキなら臭いも気になりません。費用も缶スプレー数本分の値段で内装全て塗装出来るのでオススメですよ。
まず最初にドアの内張を外します。 これは助手席側のドア。最初にドアロックノブを外します。これはネジ式固定ですのでロックノブを回せば外れます。その次にドアスピーカーを外しましょう。これは作業報告書その12にてスピーカーの交換方法を紹介してますので、そちらを参考にして下さい。ここでは省略します。 |
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ドアの内張を外す為に緩めるネジの位置です。これらのネジを緩め外します。赤い矢印はネジが露出しています。黄色い矢印は隠しネジで、メクラ蓋が付いていますのでメクラ蓋を外してから緩めて下さい。メクラ蓋はマイナスドライバー等でちょっとこじれば外れます。 ちなみに画像は助手席側ドアで、運転席側ドアにはメクラ蓋が無く、露出しているネジを外すだけなので簡単です。 |
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ネジを全て外す事が出来れば、まずドアノブを先に外します。 これはちょっとコツが要ります。最初にちょっと車の後ろ方向に引きながら手前に引っ張ります。するとドアノブがちょっとだけ浮き、隙間が出来ます。その隙間を覗くとドアを開ける為のリンクロッドがドアノブに繋がっているのが見えるはずです。そのリンクロッドを外します。 外し方は左の画像のように、緑色の留め具を右の画像の赤い矢印の向きに合わせてズラせばリンクロッドは上に引き抜けます。これでドアノブは外れます。 |
これでようやくドアの内張を外す事が出来ます。まず内張を各所で止めているクリップを外します。ドア内張の上部以外をクリップで固定されているので内張外しを使って外します。クリップの有る場所に内張外しを内張との隙間に入れ、てこの原理を使って丁寧に外します。無理矢理外すと内張の心材が合板の為、割れてしまう事があるので注意が必要です。
クリップが外れれば、内張全体を抱えるように持ち、上に引き上げるようにして外します。ちょっとドアの内張を車に後ろ方向に引っ張るのがコツです。少し外しにくいですが、コツさえつかめば簡単です。
ここで内張が外れても、まだ油断は禁物。窓の開閉スイッチへの配線を外さないといけません。カプラーが付いているのでそこから外します。固くなっている場合が多いので頑張って外しましょう。他に純正でツイーターが付いている車種は、その配線も外す必要があります。これもカプラーが付いています。
これでようやくドアの内張はフリーとなり、取り外す事が出来ます。
次に外れた内張をプラスティック部分と、布が貼ってある部分と分ける必要が有ります。 まず内張を裏に向けて下さい。外での作業の際、不要になった毛布等を広げて作業すれば内装に傷が付く事もありません。段ボールでも代用出来ます。 裏返すと右の画像のような黒い丸い部分が多数あると思います。この部分でプラスティック部分と布が貼ってある部分を固定しているのです。これは製造時に樹脂を溶かして取り付けているので、分解するにはこの部分を削り取る必要があります。削るのにはカッターナイフや彫刻刀を使用します。但し、削りにくいので注意が必要です。実際俺も手を切ってます・・・orz 全て削り終わればバラバラになります。 |
まずビニールレザーシートを必要な大きさにカットする為に型取りを行います。今回は上半分と下半分とで色を変えます。上半分が黄色で下半分を水色になります。 まず、大体の大きさに切るために、内張をレザーシートの上に載せ、型を取ります。画像は上半分に当たる水色のレザーシートの型を取る際の物です。この後、内張の周囲3センチ程残して型を取ります。その残した部分を内側に回して貼り付けていきます。要するに「のりしろ」となる訳です。 同様にして黄色のレザーシートも型を取ります。 |
レザーシートがカット出来れば張り付けるだけです。
貼り付ける際、純正の布地はそのままでも構いません。実際、私はそのまま上から重ねて貼りました。これなら元に戻す事も可能です。
綺麗に仕上げるなら純正の布地は剥がして代わりに薄手のスポンジシートを挟むとイイ感じに厚みが出て高級感が増します。また厚手のスポンジシートを挟み、ボタンを使って各所に止めればボタンダウン仕様も可能です。
で張り付ける方法は、内張裏側のレザーシートが重なる部分とレザーシートの「のりしろ」部分にゴム糊を塗り、指で触っても付かない程度まで乾かしてから押さえつけるようにして張り付けます。
これはレザーシートを張り終えた状態。 ドアノブやスピーカーが取り付けられる為の穴については、張り付けた後にカッターナイフ等で切り込みを入れ、内側に巻き込むようにして貼り付ければOKです。 |
今度はプラスティック部分の塗装に移ります。
まず最初に塗装する部品を軽く紙ヤスリで磨きます。紙ヤスリの目(荒さ)は800~1000番程度でOKです。この作業は「足付け」と言い、ペンキの乗りを良くする為の作業ですので、軽く傷を付ける感じで磨いてください。
足付けが終われば、塗装の前にプラスティック部分の脱脂を行います。
部品の油分を取り除く為に中性洗剤を使ってプラスティック部分を洗います。その後、しっかりと乾かしましょう。タオル等で水分を拭き取るのは糸くず等が付いてしまう恐れもあるので注意が必要です。
ここまでくれば後は刷毛を使って塗るだけです.
最初に塗り始めるのは「複雑な場所・塗りにくい場所」です。心情的には「まっすぐで塗りやすい場所」ですが、塗り辛い場所から塗る事によって、修正がし易く、綺麗に仕上がります。
ここで刷毛塗りのコツを。ポイントは「ペンキは多めに」です。薄目に何度も重ねるよりは、1~2回でペンキを多めに塗る方が艶が出て、刷毛すじが無くなります。ペンキが垂れないギリギリで塗れることが出来れば完璧でしょう。
塗装が終われば乾燥するのを待つだけ。しかし刷毛塗りの場合、塗膜が厚くなる為に表面は乾いていても、中は乾いていない・・・と言う事があるので注意してください。出来るなら1日は乾燥させた方が無難です。乾ききる前に取付を試みると指で押した跡が残ってしまいます。
レザーシートに張り替えた内張と塗装が終わったプラスティック部分を組み立てる訳ですが、プラスティック部分と内張を固定していた箇所を削り取ってしまった為、このままでは組み立てる事が出来ません。 そこで左の画像のようなネジをホームセンター等で購入し、それを使って固定します。削り取った部分には穴が空いているので固定は簡単。 ちなみにネジはタッピングビスでサイズはM4で長さ10ミリです。ドア一枚辺り15~20本のネジを使いますので必要分用意しましょう。 |
ドア内張が組み立て終えれば車に取り付けるだけ。
取付の手順は取り外しの手順を逆にするだけ。注意点は、慌てて塗装した部分をぶつけないようにしましょう。折角の塗装が剥がれてしまいます。また窓の開閉スイッチのカプラーを差し忘れたりしないように。
今回の作業で一番の難所はドアノブの取り外しです。これさえクリア出来れば後は簡単です。レザーシートを張り替える際にもズレないように注意が必要ですが、それほど難しくないでしょう。
通常、ショップ等でドア内張の張替と塗装を依頼すればドア1枚で1万円近く掛かるはずです。それがDIY作業なら1万円も有れば全てのドアを張り替えて塗装出来るでしょう。余ったお金は欲しいパーツの購入資金に回せますね。
これだからDIYは止められません ヽ(´ー`)ノ
■ komocik space
■ DIY作業報告書(ワゴンR編)その25
■ 2006.03.01 更新
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